光より前に~夜明けの走者たち~
物語
東京オリンピックで銅メダルを獲得した円谷幸吉と、
その四年後にメキシコオリンピックで銀メダルを獲得した君原健二。
これは、ライバルでもあり、友人でもあった二人の物語。
1964年、東京オリンピックをともに走ったランナー、円谷幸吉(宮崎秋人)と君原健二(木村了)。
円谷は、信頼するコーチ畠野洋夫(和田正人)との二人三脚のトレーニングにより、番狂わせの銅メダルをもぎとった。君原は、優勝候補と期待されるも入賞を逃し、失意のうちに引退を決意する。
日本中の期待を背負って、次なるメキシコ五輪へ向けて走り始めた円谷は、周囲の圧力や愛する人たちとの別れを受け、徐々に調子を落としていく。一方、引退の意志を固めていた君原は、コーチの高橋進(高橋光臣)、そして愛する人との出会いよって再び走り始め、順調に記録を伸ばすのだった。
「走る」こと以外は好対照であり、正反対なふたりを、スポーツライターの宝田修治(中村まこと)が追っていた。
メキシコオリンピック目前、君原のもとにある報せが飛び込む。それは、「円谷幸吉・死去」というあまりにも突然の訃報だった……。
1964年、東京オリンピックを駆け抜けた二人のマラソンランナー、円谷幸吉と君原健二の人生は、「走る」という共通点だけがあり、それ以外はすべて好対照・正反対でした。しかし二人の間には、孤独に走るマラソンという競技の中で無言のうちに手渡されたバトンがあった。物語のように美しい二人の人生を多くの人に伝えたいと思います。
谷 賢一